少子高齢社会のウェルビーイング創成型地域学習コンテンツの開発 博物館を拠点とする地域資源活用研究会(みゅぜけん)
About Our Project
プロジェクトについて
概要と目的
近年、人口減少や超高齢社会対策は全国の自治体に共通する課題となっています。北海道では、今後大幅な人口減と高齢化の進行が予想されます。すなわち2045年に推計人口は、約 400万人(2015年時の-25.6%)となり、道内全179市町村で2015年より減少し、高齢化率は42.8 %に達します(国立社会保障・人口問題研究所 2018)。自治体の存続や、産業・くらしの活力低下が心配されています。
解決策の1つとして、高齢者が持つ地域独自の知識を積極的に活用して地域の個性や誇りを産み出す地域学習を各地へ拡げ、地域資源管理の担い手を育成するシステムをつくることが必要です。
そこで、本プロジェクトでは、1) 博物館の連携、2) 映像をツールとする世代交流、3) 高齢者のウェルビーイング(幸福感)に着眼し、実態把握と2つのモデル地での実践研究から、地方創生と高齢者福祉に役立つ、地域資源学習コンテンツを開発することを目的とします。
モデル地
本プロジェクトでは2つのモデル地を設定しています。
まず、士別市朝日町は北海道北部の天塩岳山麓にひろがるまちです。森林率は92%で、良質の木材を生産する林業のまちとして発展した歴史があります。朝日町郷土資料室は、学芸員の配置はありませんが、町民参加型の展示を実現させ、老若世代が集う地域学習の拠点となっています。同室ボランティア「知恵の蔵運営委員会」は、本プロジェクトのパートナー組織です。
次に、名寄市智恵文は天塩川の中流部にあり、羊の飼育や馬産、ジャガイモなど寒さに強い作物栽培が盛んな農村地域として発展しました。1970年からの生産調整対策までは、寒冷地の稲作も行われていました。本プロジェクトメンバー(以下メンバー)は、2018年夏から、パートナー組織である、智恵文中央老人クラブと、緬羊、馬などをテーマに、地域学習会を開始しました。秋には地道な広報が学校教員の目にとまり、智恵文小学校の子どもたちも参加して、賑やかな学習交流が始まりました。
プロジェクト実施館・活動
本プロジェクトでは,下記の地域博物館等での活動を対象に研究・開発を進めています。
北海道士別市朝日町 朝日町郷土資料室
知恵の蔵運営委員会(2009年~)
北海道名寄市智恵文 名寄市智恵文公民館
智恵文中央老人クラブ(2018年~)
実施体制
本プロジェクト「少子高齢社会のウェルビーイング創成型地域学習コンテンツの開発」は、JSPS科研費 18K01108の助成を受けて進めています。
青柳かつら 北海道博物館[研究代表者]
山下俊介 北海道大学総合博物館[研究分担者]
黄京性 名寄市立大学[研究分担者]
研究協力
朝日町郷土資料室・知恵の蔵運営委員会
智恵文中央老人クラブ
名寄市智恵文公民館
名寄市北国博物館
北海道保健福祉部施設運営指導課、
高齢者保健福祉課